訓練場へやって来て、談笑しながら
入り口の扉を開けた兵士たちは、思わず息を呑んだ。
新しく彼らの基地に任官されてきた涼やかな美貌の将官が、
剣術および格闘の手練れとして彼らがよく知る
黒髪の将官と激しく切り結んでいたから。
「うわ……」
絶句する兵士たちに目もくれず、
二人の将官は白熱した攻防を繰り広げている。
「すごいぞ、あの新任将官殿。
アレクシス殿相手に一歩も引いてない」
「ああ」
アレクとて全力ではないだろうということは彼らにも見当がついた。
それでも、勇猛さよりは気品を感じさせる容姿の新任将官に対して
どこかで高をくくるような気分があった、
血気盛んな前線の兵士たちに、
侮りを捨てさせるだけの気迫がその姿にはあった。
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