浅い眠りの中で、アレクは誰かが
自分の髪に触れるのに気づいた。
その手を彼は知っていた。
「(あいつか)」
ここにいることを聞きつけて来たのだろう。
人の素肌よりも書物や武器に触れた数のほうが多いであろう手が、
たどたどしくアレクの髪を撫で、頬をなぞる。
アレクはまどろみながら、されるに任せた。
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