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【花野】
村上 博子 詩

祖母たちは歌った
繰り返し、繰り返し、琴にあわせて
また 一節の青竹の笛で 
哀しく 美しい契りの歌をうたった
かれらの生まれ育ったふるさととの契り
陽と雨と風と秋の実のり 嵐と飢え 涙と愛の歌
のがれられないきびしい定めの歌を

今 秋の野を歩むわたしの胸に 
かれらの嘆きがあふれてくる

お前は歩むがいい
お前の血の中で祖母がうたい続ける
あの秋風の子守歌のままに
祖母と共に いのちの歌をうたいながら
ふみしだく草の合間に咲き乱れる
桔梗 おみなえし やさしい撫子も 
とぎすまされた秋の光に きらめく露を宿している

花は待っている 花の名を呼ぶ者を
野は夢みている 野に臥す者を 
夜もすがら草かげに鳴く虫達のように

花と契りを結ぶ者は 
その色で秋の衣を染め その露に袖をしぼり
野辺に冬の陽が明けそめる日まで
遠く果てしない花野を歩んで行く
歩んで行く
    


[53]名無しさん

【幼馴染み】


「遠くに行きます
 もう会えないでしょう」

無感情なんて
こんな静かなんだ

思い出が多すぎる
幼馴染み

始まりのない終わり
それが今日だね

すべて 偽り
しかし 約束

◆    

「最小の揺らぎで
 別れていきましょう」

大人になれたことに
感動するんだね

時間では縛れない
幼馴染み

背伸びした報いとは
思わないけど

すべて まやかし
そして 本質

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[52]名無しさん


【鑑定】


あなたが撮った写真には
あの子への愛が見える

否定するほど深くなる
疑惑も計算したのね

あなたを信じていられるうちに
自分の立ち位置決めてほしい



あなたが描いたメモの字で
秘密にしたい愛がわかる

現実はしかたないよね
誰が悪いわけでもなく

視線の温度を測れるうちに
私の値打ちを決めてほしい

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十勝リユース

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