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名無しさん
■■ 2016年1月12日 ■■
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午前中は普通に勤務。
午後、病院から電話。
すぐ駆けつける。
母の様子は昨日と変わりがないように見えるが、そこがプロの勘なのか。
「耳は最後まで聞こえてます」
看護師は言うが、今さら何を言えと?
15時。ここへ来て2時間。
「今まで、ありがとう」
答えるように、呼吸停止。
ただちに看護師を呼ぶ。
医師が死亡確認。
15時13分。
昭和5年12月5日−昭和91年1月12日。
長い旅が終わった。
・・・・・・・・・・
職場へ、姉と兄へ、アイバンクへ電話。
なんと、姉は救急病院にいた。
介護施設にいる父が倒れ、救急搬送されていたのだ。
施設の職員が病院から帰れないでいるから、すぐに来てバトンタッチしろと言う。
「それどころじゃない」と言うしかない。不可抗力だ。しかし、これが遺恨を残すことになった。
角膜摘出スタッフの女医2名が到着し、手術に1時間かかった。
それから本格的な「処置」の開始。
病室に持ち込んだ掛け時計と未開封の紙オムツは寄贈とし、全ては斎場へ運ぶこととなった。
斎場の車をスタッフ全員が見送った。……1ヶ月、ありがとうございました。
斎場では、
すぐ枕飾りが運ばれ、係員が来て、葬儀の打ち合わせ。
悲しむヒマがない。かえってありがたい。
打ち合わせは住職の枕経で中断。
いつもの読経だが、今日はデュエットだ。
多少は緊張して、悲しむヒマがない。ありがたい。
打ち合わせ終了。
思えば、この斎場に積立てがあるというのは母の遺言で、葬儀のイロハは祖母の葬儀で喪主をやった父の見よう見まねだ。
・・・・・・・・・・
母子水入らずの静かな夜が更ける。
22:00頃、ロビーに出て、無料サーバーのカフェモカを飲んでいると、
誰もいないのに、正面玄関の自動ドアが開閉した。
祖母の霊が様子を見に来ていたらしい。そして、いま出ていったに違いない。
今から父の病院に行くのだろう。
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名無しさん
【ひとつだけ茜雲忌に願うこと】
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2]
名無しさん
【桜の雨、いつか】
春の光に包まれたままで
一人息をひそめ泣いていた
さよならも言えずに
離れたあの人の面影が何故か
蘇る
何もしてあげられなかったのに
いつも見守ってくれていたこと
伝えたかったのに
あなたはもう何も答えてくれない
遠い人
ありがとうって言ったら 永遠にさよならになる
果てしないこの旅で どこかでいつか会おう
もっと色んなこと話したかった
いつか叶うものと思っていた
安らかな寝顔に
そっと触れたくちびるにこぼれてゆく
涙が
桜の雨になる 夢が今虹をかけてく
あなたは空を行く 私を一人にして
永遠のおやすみ
ささやいて見上げたこの街の空は
青くて
桜の雨が降る 夢が今虹を越えてく
あなたは空を行く 私を一人残して
ありがとうって言ったら 永遠にさよならになる
果てしないこの旅で どこかでいつか会える…
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