対局後



 
「参った」

アレクは盤上に三、四枚の駒を残して投了した。
ニュイの駒は彼の倍ほど残っている。

「強いね、君は」

ニュイが微笑して言う。

「(それはお前の方だろ)」

アレクは思った。

彼はミルトラの勝負でそこらの者に
引けを取ることはないと自負していた。

目の前に座っている人物はそんなアレクを易々と下したのだ。




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