対戦中



 
「(では、これならどうだ!)」

アレクは一瞬溜めを作り、
それから急速に攻撃動作に移った。

ニュイが繰り出した突きをかわし、
伸びた腕の死角に踏み込む。

貴族のたしなみとしての宮廷剣術では
まず見られない動きだ。

こちらに半ば背を向ける格好となった
相手の無防備な脇腹めがけて、剣を突き出す。

「(さあ、ついてこられるか?)」




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