[1]名無しのメンタルさん
04/12 08:08
★続き4

実際に受給してみて、そんな頭で考えただけの戯言は全て吹き飛んだ。生活保護受給者は生きる値打ちのないクズだ。今まで欠片たりとも抱いたことのなかった思いが、自分の内面全てを埋め尽くした。

 なぜそうなってしまったのだろう。わからない。しかし当時の自分にとっては、それが紛れもないリアルな実感だった。生活保護受給者は無価値だ。人生の詰んだ敗残者だ。今すぐにでも自殺すべき残骸だ。また何かしらの理由で生活保護を受けることになれば、再びそのような感覚が自分を埋め尽くすだろう。

 幸い、生活保護は1年ほどで抜けた。緩慢な自殺のような生活を送っていたのに、なぜか内臓疾患の調子が好転し、再び働けるようになったからだ。今はなんとか福祉に頼らず自分で生活を営んでいる。

 あのとき死んでいた方が良かったのかもしれないと思うこともある。今の自分はなんとか自活しているが、別に何か人生に希望を抱いているわけではない。ただなんとなく死ねなくて、なんとなく生きているだけだ。また死にたくなって、そのときはあっけなく死ぬのかもしれない。

 生活保護を受けてから価値観が変わった。「どんな人間にも無条件で価値がある」などと、とても口に出せなくなった。あのべっとりとした無価値感。その渦中にいた自分に届く肯定の言葉などあっただろうか。

 もう二度と、あの場所には帰りたくない。

終わり。
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